保存登記とは所有権保存登記とも呼ばれ、建物の登記簿にはじめて所有者が登記されることをいいます。
建物が新築されると、建物の所有者は1カ月以内に建物表示登記(建物表題登記)を行わなければならないものとされています。
この表示登記によって建物の登記簿がはじめて作成されることになり、その後、保存登記がなされることによって、登記簿の権利部甲区の欄に、所有権についての記載がなされることになるのです。
保存登記には、表示登記のような登録義務はありません。
ただし、住宅ローンなどを利用して住宅を新築した際には抵当権を設定する必要があり、その前提として、保存登記が必要となります。
登記手続としては、原則として、表示登記に名前のある人が保存登記を行います。
保存登記によってはじめて、所有者として、第三者に対抗することができるようになるのです。
不動産登記法第74条には、所有権の保存の登記は、「表題部所有者又はその相続人その他の一般承継人、所有権を有することが確定判決によって確認された者、収用によって所有権を取得した者」以外の者は申請することができないとされています。
所有権保存登記の申請に必要な書類は、建物の登記事項証明書(表示登記済証)、建築確認通知書、住民票などとなっています。
司法書士などの専門家に委託する際には、ほかに委任状や代行手数料などが必要です。
また登記にかかる登録免許税は、建物の価額の1,000分の4となっています。
ただし、個人が住宅用家屋を新築または取得して自己の居住用に供した場合には、住宅家屋の軽減税率が適用され、市町村の証明書を添付申請すれば、建物価額の1,000分の1.5で済みます。
こうした所有権保存登記は、誰でも申請手続を行うことができます。
登記所に出かけて手続方法について確認し、指示にのっとった申請書類を用意すれば、専門家に依頼せずとも、登記申請することができるのです。
インターネットや雑誌には、保存登記や所有権保存登記をサポートしてくれる、登記申請手続方法についてのマニュアルが数多くあります。
そうしたものを参考に、我が家の登記をご自分で申請してみるのも良いかもしれませんね。