土地の境界をめぐる紛争を解決するには、争い合っている隣人同士では進展せず、第三者や弁護士に間に立ってもらうこと一般的です。近年では土地境界線トラブルの予防や早期解決、裁判を起こさずに解決をはかるために筆界特定制度の利用がおこなわれています。
筆界指定制度とはどのようなものでしょうか?
不動産登記法の改正により新設された制度で筆界を特定を行います。
実は土地の境界とは2種類あり、登記された時に範囲を区画した境界である「筆界」と土地所有者の権利が及ぶ境界である「所有権界」があります。
筆界と所有権界は一致することが一般的ですが、土地境界トラブルのある地域では筆界不明により紛争が起こるケースが少なくありません。
そこで、土地の筆界の位置を特定することによって、登記された時の境界が明らかになり、紛争を未然に防ぎ早期解決へと導くのです。
筆界特定制度によって特定された筆界は公的機関の判断を示しており、証拠としての力を持ち合わせています。そのため、裁判をしなくても公的な判断を示すことが出来るため、土地の境界トラブルを裁判なしで解決を図ることが出来るというわけです。
筆界特定制度は土地所有者やその相続人の申請に基づいて行われます。土地家屋調査士・弁護士などの専門家が筆界調査委員任命し、測量や実地調査等の調査を行ないますし、申請人や関係人は筆界特定が行われる前に意見を述べたり資料を提出したりすることが出来ます。
ただし、あくまでも境界のうちの筆界を判断するにとどまり、所有権界については変化があることもあります。その場合には裁判が必要になる可能性があります。筆界特定制度のメリットは通常裁判で行う際には判断が2年ほどかかるのに対し、半年から一年で判断が出来るために早期の判断が可能であること、裁判に比べて費用の負担が少ないこと、証拠能力が高いこと等が挙げられます。
裁判にして時間も費用もかかるのは困るという方は筆界特定制度を利用して、裁判をせずに解決をはかるのがおすすめです。